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SASとは

睡眠時無呼吸症候群(SAS)という病気をご存じですか?
その名前の通り、睡眠中に一時的な無呼吸状態が繰り返し起こる病気で、さまざまな合併症を引き起こしたり、良質な睡眠が得られないことから交通事故などの原因になることがわかっています。

睡眠と健康の関係

(1)睡眠の役割

私たちは1日24時間のうち約8時間眠るサイクルで生活をしています。つまり、人生の約1/3は眠っていることになります。

睡眠には、心身の疲労を回復する働きがあります。そのため、睡眠が十分にとれない状態が続くと、「眠い」「疲れた」と感じるだけでなく、心身にさまざまな悪影響を及ぼすようになります。

疲労をリセットするためには、睡眠時間だけではなく睡眠の質も重要です。「8時間以上寝たはずなのに、なぜ眠いのだろう……」という人は、睡眠時間ではなく、睡眠の質が低下している可能性があります。

(2)睡眠が及ぼす全身への影響

睡眠時間が短かったり、睡眠の質が低下していたりすると、やる気が起きない、記憶力が低下する、ホルモン分泌が乱れて食欲が増す(肥満)、血圧や血糖値が上昇する、脂質異常になりやすいなどの影響が出ることがわかっています。

さらに睡眠中に無呼吸状態が繰り返されると、体に取り込まれる酸素の量が少なくなってさまざまな臓器に障害をもたらします。

SASってなに?

SASは、睡眠に関係する呼吸障害のひとつで、SAS(Sleep Apnea Syndrome)とも呼ばれています。

SASには、大きくわけて閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)と、中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)があります。ともに眠っているときに無呼吸や低呼吸状態になる病気ですが、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)はいびきをかくことが多いのが特徴です。
一般的にSASといえば、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)を指します。

SASの人は日中に過度な眠気に襲われることがあり、居眠り運転による大きな事故も数多く報告されています。タクシーやトラックの運転手、飛行機や船の操縦を仕事にしている人はもちろん、日常生活で車を運転している人にとっても生命に関わる重大な問題です。

また、仕事での重要な商談や会議中、学校での授業中などに強い眠気に襲われたり、居眠りをしてしまうことがあります。仕事や勉強への意欲も低下し、周囲からは「なまけもの」「だらしない人間」とみられてしまい、本人への不本意な評価とともに、労働の生産性の低下など社会的な影響も少なくありません。

SASは患者さんの生命に関わる病気であり、社会生活を送るうえでも予防や早期発見、治療が必要な病気です。