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快眠コラム

より良い睡眠のために

快眠のススメ
尾﨑 章子 先生
東北大学大学院医学系研究科 老年・在宅看護学分野 教授
尾﨑 章子 先生

不眠の原因

不眠の原因には、次の5つの原因があり、頭文字をとって5Pと呼ばれています。

不眠の原因5P

1.身体的(physical):疼痛、発熱、頻尿など
2.生理的(physiological):加齢や就寝環境など
3.心理(psychological):不安や緊張、ストレス、重大なライフイベントなど
4.精神医学的(psychiatric):精神疾患、アルコール依存症など
5.薬理学的(pharmacologic):カフェイン、アルコールなどの嗜好品、内服中の治療薬など

不眠への対応

不眠を改善するには非薬物療法(薬物以外の治療法)が基本です。『睡眠衛生法』と『不眠の認知行動療法』があり、今回は『睡眠衛生法』について紹介します。

睡眠衛生法

睡眠衛生とは、生活習慣や嗜好品、寝室環境など、睡眠に影響する生活全般のことをさします。近年、マスコミなどから睡眠についての多く情報が得られるようになりましたが、中には誤った知識や誤解を与える情報もあります。厚生労働省から出されている「健康づくりのための睡眠指針2014睡眠12箇条」※は、睡眠に関する基本的な知識が具体的に生活に取り入れやすく説明されています。

1.運動・身体活動を取り入れる
定期的な運動はよい睡眠に効果的です。高齢者を対象にした研究では、1日30分以上の歩行を週5日以上実践している人や、週5日 以上習慣的な運動をしている人では不眠が少ないことが報告されています。ただし、激しい運動や眠る直前の運動はかえって睡眠を妨げてしまいます。

2.就床前4〜5時間前のカフェインをさける
カフェインは覚醒作用を持つ代表的な物質で、コーヒー、紅茶、緑茶、コーラ、健康ドリンク、チョコレート、ココアなどに含まれています。カフェインは入眠を妨げ、中途覚醒を増加させます。カフェインの覚醒作用は摂取後30分後くらいしてから出現し、4〜5時間続きます。夕食以降のカフェイン摂取は控えた方がよいでしょう。最近は、カフェインの少ない(含まれていない)緑茶やコーヒー、紅茶が販売されています。

3.睡眠薬代わりにアルコールを使用しない
不眠への対処にアルコールを使用している成人は、諸外国と比較して日本は最も多いことが分かっています。アルコールを飲むと寝つきはよくなりますが、後半の睡眠が浅くなり、中途覚醒や早朝覚醒が増加しますので、睡眠薬の代わりにはなりません。

4.就床直前に熱い風呂に入らない
就床直前に42℃以上の熱い風呂に入ると、交感神経系の活動が亢進し、血圧が上がると同時に覚醒作用をもたらし、寝つきが妨げられます。39〜40 ℃程度のぬるめの風呂は寝つきを促す方向に作用します。

※厚生労働省健康局:健康づくりのための睡眠指針2014, 2014.https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000047221.pdf